この記事の目的
この記事は株式取引が機械学習によって最適化できるのかを実験した内容となっています.
そのため,この内容は株式取引と機械学習について手を出す人の資料となればよいと思い,実験のプログラムおよび記録を残したものとなります.
以下の様な目的では書かれていないので注意してください
- 儲け話だと考えている人
- プログラムをコピペすればシステムが完成すると思っている人
もちろん実験プログラムを自身で改良するれば,運用システムに転用することは可能ですが,「自動取引システムアプリの構築」といった類の話ではないことをご留意ください.
基本的には「株式投資する人」をターゲットとしているため,資産が相応にある状態でシミュレーションを行っています.
この記事には書かれないこと
この記事では基本的に,専門的な機械学習や最適化に関する専門的な解説を行いません.具体的には以下のような例があります.
- 強化学習の知識および動作原理
- ニューラルネットワークの知識および動作原理
- 進化計算の知識および動作原理
- 最適化についての知識
- 使用するライブラリの動作原理や詳細な使用方法
- DockerやSSH,Linux, Python等の知識や動作原理
この本を読んでわからない知識が存在するのであれば,その都度ご自身で調べることを推奨します.
※実行結果を再現するための手順やプログラム等はすべて掲載していますが,その手順の意味やプログラムの意味・原理についての詳細な解説は行いません.
この記事の結果と注意
この記事のNo.07-04
では次のような結果が得られます.
![](https://emoclework.jp/wp-content/uploads/2024/05/e7b3a4837bf8-20230424.jpg)
背景灰色が学習期間で,背景白色がテスト期間です.
結果を見るとテスト期間でも総資産が増えており,これを運用すれば資産が増えると考えられるかもしれません.
しかし,この記事だけでなく,株式を機械学習で運用するときに一般論として言えるのですが,「データの分布(性質)が同じでなければ運用時にも同じ結果を得ることはできない」ということを念頭においてください.そして,株式市場は変化していくため,運用時に100%利益を上げることは不可能です.
また,上の図も2022年半ばまでのテスト期間のみを見れば,テスト期間でも順調に資産が増えるとは言いずらいかもしれません.同様にテスト期間を延長した時にも絶対に資産が増えるということを明言することはできません.
上記の結果が言えるのは,「学習期間やテスト期間と同じような株価の動きであれば,資産が増える」ということのみであることに注意してください.