はじめに
次の3パートに分かれて、Ubuntu Touchを使ってみた話をしようと思います。
- インストール編(この記事)
- スマホとして使いたい編
- PCとして使いたい編
動機
買い替え用のスマホを探していたら、10年くらい前に聞いたことのあるUbuntu Touchというプロジェクトが生きているのを発見しました。
どうやら当時とは違って、Ubuntuの開発元からは離れて、UBportsという組織に開発は移行しているみたいです。
Ubuntu Touchのメリットは何と言っても、UbuntuベースのOSが使えることです。
ちょうど、ミニPCの購入も検討していたので、どこまで使えるのか試してみたいと思います。
開発機もPixel3aを押しているみたいで、今では一万円以下で手に入るため、比較的気軽に試せると思いました。
以下、公式ページ以外に参考にした記事です。
- https://qiita.com/natsuori/items/4e10642585ac9a9fbccf
- https://ameblo.jp/solo-tt7/entry-12856097778.html
- https://tomm.hatenablog.com/entry/2021/10/14/213000
それではインストールを始めていきます。
1. ブートローダーのアンロック
1.1 USBデバックのON
「設定」を開いて、「デバイス情報」から「ビルド番号」を7回タップします。

そうすると、開発者モードがONになります。
「設定」→「システム」→「開発者オプション」から

「USBデバッグ」をONにします。

これで、PCからPixel3aを操作できるようになります。
1.2 OEMロック解除
次はOEMロックを解除します。購入したPixel3aはソフトバンク版で、OEMロックはされていました。
開発者オプションをの中に、「OEMロック解除」という項目があります(既にONの場合はこの操作は必要ありません)。

OFFになっていて、灰色で操作できないようになっています。
これは各キャリアの手順に従うと、解除できるようになります。
今回はSoftBankのPixelだったので、ソフトバンクの手順に従います。
アカウントがなかったため、新規作成しました。回線契約は必要ありませんでしたが、本人確認のための電話番号登録が必要でした。
ログインできたら、My SoftBankから「SIMロック解除」へと進み、IMEI番号を入力します。
IMEI番号は「設定」→「デバイス情報」から確認できます。
手続きが完了し次第、SMSに連絡が来ます。翌日の9時頃に解除ができました。

1.3 PCへSDK Platform-Toolsを入れる
PCからPixel3aを操作するためのコマンドをインストールします。

SDK Platform-toolsに入っているADBコマンドが必要なので、SDK Platform-toolsを入れます。
Windows機だったので、SDK Platform-Tools for Windowsを入れました。Mac、Linux版もありました。
適当な場所へ展開します(間違って削除しない場所にしてください)。

この場所への環境変数パスを通しておきます。windowsでは「システム環境変数の編集」を開きます。

ここへ先ほど展開したフォルダのパスを新規に追加します。
ターミナルアプリを開いて、adbコマンドが使えるようになっていればOKです。

1.4 ドライバのインストール
PCへPixel3aを正しく認識させるためにドライバを入れます。
GoogleのページからUSB Driverをダウンロードします。

適当場所で解凍します。

PCで「デバイスマネージャー」を開いて、上の「操作」→「ドライバーの追加」を選び、先程の展開したフォルダを指定します。

インストールするか聞かれるので、「インストール」を選択すると、デバイスマネージャーにPixel3aが追加されます。私のPCではAndroid Deviceが追加されました。
1.5 ブートローダーのアンロック
Pixel3aとPCをUSBで接続し、「このPCを信頼する」を選択します。
PCでターミナルを開いて、ブートローダーを起動します。
adb reboot bootloader
pixel3aの画面が変化します。Fastboot Modeと表示されていればOKです。

続いて、次のコマンドを実行し、ブートローダーのアンロックをします。
fastboot flashing unlock
画面の表示が変わるので、音量ボタンの下げるを押して、「Unlock the bootloader」を選択します。

電源ボタンを押して、決定します。
device state : unlockedとなった画面が表示されたら成功です。
「Start」を決定して、Pixel3aを起動させます。
起動したら、Pixel3aの初期設定を行い、再度USBデバックの項目を再度ONにしておきます。
これでブートローダーのアンロックができました。
2. Androidのバージョンのダウングレード
現状のUbuntu Touchはandroid 9へのインストールを想定しています。
ですが、購入したPixel3aのAndroid OSのバージョンは12でした。ですので、ダウングレードが必要になります。
PCとPixel3aをUSBでつなぎます。ターミナルを開いて、次のコマンドを実行します。
adb reboot bootloader
Fastboot Modeが表示されるので、そのまま待機します。
Android 9.0.0のイメージをダンロードします。ダンロードするバージョンはPQ3B.190801.002です。
これはUbuntu Touchのページに書かれています。確認してから進めてください。
Google Pixel 3a • Ubuntu Touch • Linux PhoneFlash your Google Pixel 3a with the latest version of the Ubuntu Touch operating system, a privacy focused OS developed ...How to install Ubuntu Touch OS
You can install Ubuntu Touch on this device using the UBports Installer on your computer.
Make sure your device is unlocked and has the required version of Android installed. Before installing, follow the device-specific instructions below:
- If the device is running an Android version above 9.0, you have to downgrade to the last 9.0 release. Make sure to revert to factory image PQ3B.190801.002 before continuing.
1.7GBのイメージなので、少し待ちます。
ダウンロードしたファイルを展開し、中にあるflash-all.batを実行します。
ターミナルが自動で立ち上がるので、「Press any key to exit」と表示されるまで待ちます。

キーを入力すると、Pixel3aが再起動します。Pixel3aの初期設定が始まります。
バージョンを確認して、Android 9になっていればOKです。
USBデバック、OEM解除ロックがONになっていることを確認しておきます。おそらく、USBデバッグはOFFに戻っているので再度ONにします。
3. Ubuntu Touchのインストール
Ubuntu Touchの公式からインストーラーをダウンロードします。
Windows用のインストーラーダウンロードしました。

これを起動してインストールを進めていきます。
インストーラーを起動すると、Visual C++ 2012のライブラリが必要と言われました。

ポップアップにあるMicrosoftのダウングレードページからVisual C++ 2012をダウンロードして、インストールします。

vcreditst_x86.exeをダウンロードし、起動します。

vcreditst_x86.exeのインストールができたら、再度Ubunto Touchのインストーラーに戻り、「Try Again」を選択します。
Pixel3aのバージョンがPQB3B.190801.002であることを確認する旨の表示が出ます。

問題ないので、「My device is unlocked」を選択します。
OSがUbuntu Touchであることを確認したら、Installを押します。

オプションが表示されます。

Wipe Userdataにチェックを入れてOKを押します。

Pixel3aの画面の確認が出ます。

Pixel3aの画面がFast modeであることを確認し、Recovery Modeを選択して決定します。
画面がリカバリーモードへ移行したら、インストーラも「Continue」を選択します。

少し待つとインストールが完了します。

Pixel3aが再起動し、Ubuntu Touchが起動します。
案内に従って、Ubuntu Touchの設定をすればOKです。


これでUbuntu Touchが使えるようになりました。
次回は「スマホとして使いたい編」になります。